第8問
放射性物質が放射線を出す能力を表す単位はどれですか?
答え:ベクレル
「放射線」を示す単位としては、よく2つの言葉が使われます。
ベクレル(Bq)と、シーベルト(Sv)です。
ベクレルは、放射性物質が放射線を出す“能力”を示す単位であり、ベクレルであらわした数値が大きいということは、「放射性物質からたくさんの放射線が出ている」ことを意味します。
しかし、放射線のあり・なしだけで言えば、宇宙から常に地球にふりそそいでいる「宇宙線」にも放射線はふくまれていますし、X線検査などでも放射線を使っています。また、食品や空気中にも微量の放射性物質がふくまれています。私たちは、ふつうに日常生活をおくる上でも、さまざまなものから被ばくしているのです。このような放射線の影響を、どのように捉えればいいのでしょう?
そこで、大切な単位がシーベルトです。シーベルトとは、放射性物質が出す放射線によって、人体がどのような影響を受けるかという点に注目して考え出された単位です。シーベルトであらわされた数値が大きいほど、人体が受ける影響が大きいことを意味します
シーベルトは、さまざまな放射線による被ばくの影響を、それが同じ影響であれば同じ数値になるように換算し、「人体が受ける被ばく線量」をあらわす数値にしています。
ですから、放射性物質の種類によって、たとえば同じ「1ベクレル」の物質でも、人体が受ける被ばく線量、つまりシーベルトの数値は大きく異なってきます。(なお、放射線が人工由来か自然由来かによって、体に与える影響に違いが出ることはありません)。
ですから、被ばくや放射性物質について考える時は、単なる放射線の「あり・なし」やベクレルの数値だけではなく、シーベルト、つまり人体が受ける被ばく線量について注目し、議論していくことが重要なのです。