第10問
答え:LED
LEDを使った照明器具や電球は、省エネ性にすぐれ、寿命が長いという特徴をもっています。このうちLEDを使った電球については、これまでも省エネ基準の対象となっていましたが、LED電灯器具については、省エネ基準の対象となっていませんでした。
それはなぜでしょう?LED電灯器具は、ほとんどが「光源」つまり光を放つ部分と器具が一体化した専用設計となっていて、多種多様な製品が存在します。LED電球を省エネ基準対象とした2013年時点では、LED電灯器具はまだ普及率が低く、LED電灯器具を規定する日本工業規格(JIS規格)や省エネ性能の評価方法が整備されていなかったこともあって、省エネ基準の対象とすることが見送られたのです。
今回、高効率照明の普及をうながすため、LED電灯器具の普及率が向上したことや、LED電灯器具の省エネ性能の評価方法が整備されたことを踏まえ、LED電灯器具も対象とした新たな省エネ基準が策定されました。目標年度は、2020年度となっています。
また、LED電灯器具を対象とするにあたって、エネルギー消費効率の定義を変更しました。LED電灯器具と蛍光灯器具それぞれの明るさを同じ基準で評価するために、これまでは消費電力量あたりの「照明器具の光源の明るさ(全光束)」としていたものを、消費電力量あたりの「照明器具の明るさ(照明器具全光束)」としたのです。これは、LED電灯器具は光源を器具から取り外した状態では発光させることができないものが多く、「照明器具の光源の明るさ(全光束)」を測ることができないものが存在するためです。
これにより、製品の表示についても、「照明器具の光源の明るさ(全光束)」ではなく「照明器具の明るさ(照明器具全光束)」の表示が義務付けられることとなります。なお、同じ蛍光灯器具であっても、「照明器具全光束」は照明器具の効率を含むため「全光束」より数値が小さくなります。