コンテスト受賞作品一覧

令和6年度わたしたちのくらしとエネルギー
かべ新聞コンテスト
受賞作品一覧

かべ新聞コンテスト
講評

最終審査委員長 山下宏文

最終審査委員長
山下宏文

最終審査会では、最終審査に残った作品をひとつずつ丁寧に検討して、最優秀賞(経済産業大臣賞)2点、特別賞7点、優秀賞11点、入賞19点の受賞作品および学校賞3校を選びました。特別賞は、優秀作品のなかでも、最優秀賞に次いで、特に評価の高かった作品という位置づけになっています。
最終審査に残った作品の特長としては、まず、しっかり問題意識をもって新聞づくりができていることです。そして、実際に調査や取材をして記事にしているものも多くありました。さらに、そうした明確な問題意識と根拠のあるデータや具体的な調査に基づき、自分の考えや意見を表明するとともに、自分たちにできることは何かを提示していることもよかった点です。今後もこうしたことを重視してかべ新聞づくりに取り組んでもらえることを期待します。

取り上げられた内容を見ると、地球温暖化と再生可能エネルギーに関するものが多くなっています。また、LNG、石炭や石油といった化石燃料、エネルギー問題への対応としての省エネ、食品ロスとエネルギーとの関わりなどについて着目したものもありました。昨年度と比較すると問題の捉え方(内容の設定)がやや固定してしまっているかなという感じがしますので、視野をもっと広くしていけるとよいと思います。

最優秀賞(経済産業大臣賞)となった「Shift in thinking 先駆者から伴走者へ」は、博物館の展示にあった「化石燃料は私たちの「いま」を支えていますが、私たちの未来まで背負うことができるでしょうか」という問いかけに答えるべく追究した結果をかべ新聞としてまとめています。化石燃料の利用の変遷を踏まえながら現在のエネルギー利用を捉え、そのうえで未来を考えるというしっかりした構成となっています。「化石燃料はまだまだ私たちの未来を支え続けてくれているが、その役割を少しでも軽くしていくことが必要だ」という作者の主張は説得力があります。

もうひとつの最優秀賞(経済産業大臣賞)である「生き物と僕たちの未来新聞」は、デジタル作成の利点をうまく活用するとともに、自分の意見もしっかり述べられています。ホッキョクグマが絶滅の危機にあるということから地球温暖化の問題に目を向け、「地球の生き物や、私たち人間の生活を守っていくために、何かできることはないのでしょうか?」という問題設定をしました。そこから発電のあり方に目を向け、「S+3E」や「エネルギーミックス」という視点の大切さを指摘し、国際的な取組や新しいエネルギー開発といったことにも言及しています。

二つの作品ともしっかりした探究に基づいて自分の考えを形成し、それを分かりやすく表現しており、審査員全員からとても高く評価されました。

本コンテストの今後の課題としては、このかべ新聞コンテストにさらに多くの小学生が参加できるようにすることが何より必要です。この数年、参加作品数が年々減って来ていることが気になります。他方、この数年、デジタル作品の充実を課題として指摘していたところですが、今回のコンテストにおいてデジタル作品が最優秀賞を受賞し、デジタル作品の質が向上してきたことは大きな成果であったと思います。デジタル作品の今後のさらなる発展を期待したいと思います。

最優秀賞(経済産業大臣賞)

特別賞

優秀賞

入賞

学校賞

  • 北海道/札幌市立桑園小学校
  • 神奈川県/平塚市立岡崎小学校
  • 愛知県/名進研小学校

(順不同)

※紹介する各作品は小学生により調べまとめられた新聞で、一部事実とは異なる内容が含まれている場合がありますが、そのまま掲載しています。

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