かべ新聞コンテスト
講評
最終審査委員長
山下宏文
まず、何よりも大切なことは、作成者の課題意識が明確で、その課題に対して筋道だった追究がなされているかという点です。最優秀賞の「しっかり知って正しく話そうエネルギーのこと」では、「値上げラッシュ」というまさに現在の問題を取り上げ、そこからエネルギー問題を捉えるとともに、地球温暖化への対応も踏まえつつ、地域の取組、技術開発による取組、生活上の取組などさまざま追究がなされています。もうひとつの最優秀賞の「エネルギー変革新聞」では、化石燃料から脱却するにはどうするかという強い課題意識のもと、カーボン・ニュートラル実現に向けてその鍵は「水素エネルギー」であるとして、三つの関連施設を見学して、その結果をまとめています。とても読みやすい紙面で、作成者の思いがしっかり伝わってきました。
その他、具体的な事実や数値に基づいて考えが述べられているか、見学や取材、観察や実験などの実地調査を通して自分の考えをまとめているかといったことも評価の大きなポイントとなりました。ただ数値を示したり見学の結果をまとめたりするだけでなく、そのことを自分はどう考えるのかといったことを述べることが重要ですが、それがしっかりできていたように思います。
また、まさに現在の問題、自分が生活する地域の問題、自分の体験や経験に基づく問題、これまであまり目が向けられなかった問題などに着目した作品がこれまで以上に多くあったことが、今回の最終審査では話題となりました。特別賞の多くはこうした点が高く評価されたものとなっています。
一方で取り上げたデータがやや古いもの、データの出所が不明なもの、全体の構成が整わないものなど、今後さらに改善するとよくなる作品もありましたので、次に期待したいと思います。全体の底上げが進んできていることは確かですので、今後を楽しみにしています。
北海道/札幌市立新川小学校
かべ新聞についての
お問い合わせ
エネルギー教育推進事業事務局 かべ新聞受付係
〒141-8567 東京都品川区大崎1-15-9 光村ビル10階
エネルギー教育推進事業事務局